留学記:中澤信博先生

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留学記:中澤信博先生

中澤信博 Harvard Medical School, Brigham and Women’s Hospital

Nobuhiro Nakazawa

私は2024年7月からアメリカマサチューセッツ州ボストンにあるBrigham and Women’s Hospitalに研究留学をさせていただいております。

 ボストンはニューヨークの北部約350kmに位置し、アメリカが独立するきっかけとなった、アメリカでは最も歴史のある都市のひとつです。現在(執筆時)は12月で雪も降ることも多々あり、最低気温も-10度程度を記録することもある、非常に寒い街です。ボストンは上原投手や松坂投手、また現在は吉田選手などが在籍するボストンレッドソックスが有名ですが、昨年NBAを制覇したボストンセルティックスなども在籍しており、まさに歴史、文化、スポーツ、そしてハーバード大学やマサチューセッツ工科大学を中心とした学術都市でもあり、非常に情緒もありながら多国籍の方々がふれあえる街並みが魅力的です。

 さて私が在籍させていただいている研究室は、分子病理(癌の遺伝子変異解析、免疫を含めた癌微小環境の解明、そして微生物と癌との関連解析など)と疫学(喫煙、飲酒、西洋式食事スタイル、既往歴など)を融合し、研究を行っている研究室です。最近では、アメリカでは若年発症の大腸癌が社会問題となっており、それらの機序解明のための研究にも従事しております。現在は癌微小環境と免疫、細菌叢と癌悪性化のメカニズム、また北米、ヨーロッパ、オーストラリアなどから構成する研究グループの研究課題を任せていただいております。とても苦労することも多いですが、それでも毎日何か一つでも患者様のお役に立てるような研究に近づけるように精進しております。