第126回日本外科学会定期学術集会参加報告

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第126回日本外科学会定期学術集会参加報告

2026年4月23日(木)-25日(土)に、北海道札幌で開催された第126回日本外科学会定期学術集会に当教室から多数参加しました。High risk患者に対する上部消化管手術の治療戦略についてのパネルディスカッションの司会とランチョンセミナーの演者を佐伯先生、直腸がんに対するTa/Tpアプローチについてパネルディスカッションに白石先生、メスが切り開くオンコロジー~手術検体で探る最新の癌ゲノム研究~のワークショップの演者とデジタルポスターの司会に中澤先生、外科教育のサージカルフォーラムに岡田、胃の集学的治療のサージカルフォーラムに木村先生、デジタルポスターの演者に柴崎先生・片山先生・佐野先生が発表や司会を行いました。

第125回からの学会企画で全国の外科を目指す学生も参加してもらっており、群大医学部生も4名参加をしました。Future Surgeons Club企画で、「北のロボット甲子園」というロボットシミュレーターで各大学の医学生3名ずつ代表で競技を行いました。その結果、群馬大学は予選を勝ち抜き69校中上位8校に残りました。準決勝で惜しくも敗退となりましたが、頑張ってくれました。

新たなる外科医療の共創をテーマとし、医学生へも外科の魅力を伝えられたのではないかと思います。春先の北海道は寒かったですが、たくさん外科の最新の知見を深めることができました。明日からの診療に生かしていきたいと思います。

2026年 第126回外科学会学術集会への医学生参加手記

第125回に続き、第126回外科学会学術集会で、外科の魅力を体験してもらうための新たな試みとして各大学から3名ずつ医学生を招待する企画がありました。日本の問題の一つである外科医不足の解消を目的としています。群馬大学からも医学生が参加しましたので、率直な感想を掲載させていただきます。

●加野凜花さん

ハンズオンセミナーではチーム 3 ⼈で協⼒して準決勝に進むことができ、⾮常に充実した体験をすることができました。決勝に進めなかったのは悔しいですが、チームのメンバーと親睦を深められ、決勝進出校の中継を⾒て、良い刺激をもらったという点で、⾮常に実り多い時間を過ごすことができたと感じています。それ以外にも、待ち時間や会場から帰るバスの中で、ロボット操作のコツであったり、普段どのようにして外科の⼿技を練習しているのかなど、他⼤学の学⽣と情報交換することができ得るものがとても多かったです。また本学の先⽣⽅も我々を応援してくださり、このロボット甲⼦園をきっかけにコミュニケーションをとり⼀緒に盛り上がることができたことも⾮常に嬉しく思います。ロボットシミュレーターの操作に関しては、タイムを縮めることだけを意識するのではなく、丁寧で安全で操作を意識することが結果的にタイムを短くするということをセミナーを通して理解することができました。待ち時間の腹腔鏡や結紮・縫合のトレーニングでも、北海道の外科の先⽣⽅と会話を楽しみながら有意義なご指導を賜ることができ、感謝しております。3 ⽇間の外科学会の中でも特に学びが多い時間を過ごすことができ、ロボット甲⼦園を企画・運営してくださった関係者の⽅々に深くお礼申し上げます。ありがとうございました。

聴講セッションでは、若⼿の先⽣⽅の発表と全体での討論を通して外科の魅⼒について知ることができ、将来の選択肢として外科をより前向きに考えるきっかけとなりました。私は外科の中でも乳腺領域に興味を持っているため、乳腺外科のお⼆⼈の先⽣の発表を拝聴できたことが特に有意義でした。乳腺外科特有の魅⼒であったり、⼥性医師として働く中でのリアルなお話を伺うことができて勉強になりました。セッション後半の討論では、リアルタイムでその場にいる医学⽣の意⾒を匿名で取り上げてディスカッションしていただき、⾃分⾃⾝がその場に⾏って聴講することの意義と、他のセッションとの違いを感じました。若⼿の先⽣や医学⽣の意⾒のみならず、ベテランの先⽣が司会をしてくださったことで、⻑年現場をご覧になってきた先⽣のお声も聞くことができ、より深い学びを得ることができました。お⾦の話や労働時間の話など、⾃分の⼤学の先⽣には直接聞きにくいことが話題に挙げられていたことも⾮常に興味深かったです。 セッション終了後には、将来外科医として働きたいという思いが聴講前より⼤きくなり ました。その理由として、各医局や外科学会が外科医の減少を⾷い⽌めるために様々な取り組みをしてくださっていることを知れたことが⼤きいですが、それと同時に我々は働きやすい環境を⽤意してもらおうと受け⾝でいるのではなく、どうすれば⾃分が⾃分らしく仕事をすることができるのか、主体的に考えるべきなのだと気付かされました。 3 ⽇間の学会参加の最後に、このように⾃分の将来を考える上での材料となるセッションを拝聴することができ、感謝しております。ありがとうございました。

●佐藤 太星さん

討論会では、若手の先生方の教育や働き方についての発表から、外科医としての将来のビジョンのヒントをつかむことができた。大学でのポリクリでは、主に手術見学が中心となっており、先生方と深く関わったり、その働き方や考え方まで深く踏み込んで聞いたりという機会はなかなかなかった。そんな中で、先生方の今までのキャリアであったり、他大学で行われているプログラムであったりを聴くことによって、自分が今までつかめていなかった「外科医として生きるとはどういう人生なのか」という将来像を、今までより少し明瞭にイメージできるようになったと思う。外科の良い印象・悪い印象についても、自分含め学生が抱いている印象について、先生方が実際の立場から色々と答えてくださり、大変参考になった。特に、匿名化されていることによって、面と向かっては聞きにくいことも気軽に聞くことができたのが良かったと思う。討論会の中で先生方が生き生きと外科について発信されているのを見て、外科医という仕事について生きがいと達成感を持っているのだということを実感できたし、そうした人たちの元で働きたいという気持ちがより強くなった討論会であった。

 ハンズオンセミナーでは、ロボット手術のシミュレーターを通して他大学の学生とタイムを競い合った。群馬大学ではあまりシミュレーターに触れる機会が無く、初めて触れる課題もあったが、自分の持てる力をすべて発揮し、また友人たちとも限られた時間の中アドバイスしあって、腕を上げることができたように思う。惜しくも決勝進出は出来なかったが、準決勝まで勝ち進むことができたことは、自分の中で大きな思い出になった。上位入賞校はどこも日頃から練習を積んでいると聞き、練習の大切さを実感した。大学の外科教室が実施するセミナーに積極的に参加し、ロボット手術のみならず、縫合・結紮などの手技もこれから磨いていきたい。また、待ち時間の縫合練習・腹腔鏡練習でも、北大の先生方や他大の学生と交流する時間があり、こうした機関だからこそ話せる貴重な話をたくさんすることができた。また、全体懇親会で代表として登壇したことがきっかけで声をかけてくれた学生も多く、学生間の交流といった意味でも、このハンズオンセミナーは非常に思い出に残るものになった。

●飯島 拓真さん

まず、ロボット甲子園においては、シミュレーターの操作に加えて待機時間では先生方にアドバイスをいただきながら手技演習をさせていただくことができました。外科を志す学生にとって学生のうちから手技に触れることは貴重な経験であり、モチベーションが高まりました。また、他大学の学生の中には、日頃からシミュレーションに触れており、すでにその練度を高めている者もおり、そうした高い意識を持って取り組んでいる姿を見ることも良い刺激となりました。

また、聴講させていただいたセッションの中では、術中大量出血に対する対応のセッションが特に印象的でした。もちろん、脈管損傷による大量出血が起こらないことが最善ですが、多くの手術を実施する中にそのような事態が全く起こらないはずはなく、事前に緊急時の対応を定型化しておくことの重要性を感じました。また、そのような予期していない事態に遭遇したとしても、冷静に状況を判断し、適切な判断を下していくことも外科医として重要な能力であると学びました。

さらに、外科の魅力についてのセッションでは、若手の先生方から様々なお話を聞くことができたことに加え、学生目線の質問にも答えていただき、外科としての働き方について具体性を持って考えることができました。その中で、外科においても働き方改革が進んでいるとのお話があり、待遇等が改善され、働きやすくなっていることは喜ぶべきことではありますが、若手としてはそれに甘んじることなく、研鑽に励んでいく姿勢が大事であると感じました。

総じて今回の外科学会では、セッションを通じて様々な外科領域の知見に触れることに加え、現役の先生方や同じく外科を志している全国の医学生との交流を通して外科の魅力を再認識することができ、改めて外科志望として今後の学業や研修に高い意識を持って取り組んでいこうと思いました。

●西野泰地さん

外科医を確保していくには今後どのような体制を築いていくかについて様々な視点から触れられており、非常に興味深い内容だった。医学生や研修医、外科医のそれぞれが抱く外科に対するイメージを元にされているものや、医学教育における外科診療教育について質的、量的に改善していく検討していくもの、先生ご自身の経験から外科診療の実際を周知しイメージの改善を図るものと大きく分けて 3 つの方向から外科診療のこれからについて語られていたように思われる。特に興味深かったのは医学教育における外科診療教育の在り方について講演されていた大阪大学の百瀬先生と京都大学の西野先生の講演である。百瀬先生は実習の一環として、外科医を考えている学生に対し、外科研究をさせることで外科に関する正しい認識を与えるとともにより外科に興味を持たせるものであった。少数の医学生に対するプログラムではあるが、外科に興味を持った学生が他の診療科にここと移りしないようにさせるほか、事前に外科診療の実際について正しい認知があるため、長期にわたって外科に携わることのできる医師を残せることにつながるのではないかと感じた。一方で西野先生の講演は、医学教育において外科に触れる機会が臨床実習以降に限られている点に注目し、低学年から外科手技や診療について学ばせる環境を整えることで、医学生全体に対して外科診療に興味を持たせるものだった。なるべく早い段階から外科の一端に触れさせることで、興味を持たせる医学生を増やすことにつながるのだと思われる。 二人の先生は医学生教育を変えることで外科医を増やそうとしている点で共通している。しかし、百瀬先生はもともと外科医を志望する学生に対して早期から外科診療・研究について徹底的に教えることで外科医として質の高い人材をつくることに焦点をあてている。一方で、西野先生は医学生全体を対象にすることでより多くの医学生が外科医に興味を持ったり、志望するようになったりするようなものであった。似たようなテーマであっても百瀬先生と西野先生とで アプローチの仕方が大きく異なっており、非常に興味深かったとともに、医学生や研修医教育に おいて外科医を志望する人材を増やすことのできるきっかけはまだあるように感じた。